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お買い物(その2)
【Wydawnictwo Militalia】
これも老舗の資料本シリーズ。
基本がポーランド語なので、写真とそれに添えられた英語のキャプションを穴が開くほど眺める以外にあまり使い道がないのが残念。
とにかくたくさん出ていて、たいがいのテーマは取り扱っているのが嬉しい。
そもそも「読もう」と思わなければ、非常にコストパフォーマンスの高いシリーズなので、他に資料の見つからないテーマなどは、とりあえずこのミリタリアの本を一冊入手してみるのがいいかも。
特にここで紹介している戦後すぐの東ヨーロッパとか、ソ連製戦車の他に数々の旧ドイツ軍車両を装備していてなかなか面白い。なかなか他で見ないテーマなので、こういう号だけ買っておくというのもアリ。

これも老舗の資料本シリーズ。
基本がポーランド語なので、写真とそれに添えられた英語のキャプションを穴が開くほど眺める以外にあまり使い道がないのが残念。
とにかくたくさん出ていて、たいがいのテーマは取り扱っているのが嬉しい。
そもそも「読もう」と思わなければ、非常にコストパフォーマンスの高いシリーズなので、他に資料の見つからないテーマなどは、とりあえずこのミリタリアの本を一冊入手してみるのがいいかも。
特にここで紹介している戦後すぐの東ヨーロッパとか、ソ連製戦車の他に数々の旧ドイツ軍車両を装備していてなかなか面白い。なかなか他で見ないテーマなので、こういう号だけ買っておくというのもアリ。



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お買い物(その1)
上京した折に資料本を買い込んできましたので、いくつか模型製作の参考になりそうなものを紹介します。
【TANKOGRAD】
戦車の資料本シリーズとしては結構な老舗で相当なラインナップを有しています。
第一次大戦の黒本シリーズ、ソ連の赤本シリーズ、ナチス時代のグレー本シリーズなど、テーマによってシリーズ化されているのでお目当ての本が探しやすいのもいいですね。
2015年に買ったものをちょっと紹介してみます。
特に役に立つ6000番台は米軍車両の当時もんマニュアルを中心とした資料
値段も手ごろ(2,000円前後)でかゆい所に手が届くおススメのシリーズ。
ここには挙げてないですが、アトミックキャノンとか無茶なものまでフォローされています。




3000番台

5000番台はドイツ連邦陸軍の装備車両。

8000番台は広く世界の車両

9000番台

最近刊行が始まった横長サイズの実車写真集。
なぜか冬に撮影した写真が多く、せっかくのディテール写真集なのに車体に雪が積もっているのがお茶目。
最初は人気の車両がポンポンと出て、その後はひたすら工兵車両特集というシブさ。





【TANKOGRAD】
戦車の資料本シリーズとしては結構な老舗で相当なラインナップを有しています。
第一次大戦の黒本シリーズ、ソ連の赤本シリーズ、ナチス時代のグレー本シリーズなど、テーマによってシリーズ化されているのでお目当ての本が探しやすいのもいいですね。
2015年に買ったものをちょっと紹介してみます。
特に役に立つ6000番台は米軍車両の当時もんマニュアルを中心とした資料
値段も手ごろ(2,000円前後)でかゆい所に手が届くおススメのシリーズ。
ここには挙げてないですが、アトミックキャノンとか無茶なものまでフォローされています。






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3000番台

5000番台はドイツ連邦陸軍の装備車両。


8000番台は広く世界の車両


9000番台

最近刊行が始まった横長サイズの実車写真集。
なぜか冬に撮影した写真が多く、せっかくのディテール写真集なのに車体に雪が積もっているのがお茶目。
最初は人気の車両がポンポンと出て、その後はひたすら工兵車両特集というシブさ。






キュリアスvol.11

『CURIOUS vol.11』
四駆道楽専門誌とあるように、ホントに道楽の本です。
本日、プラモデル屋さんに行くついでに書店に足を運んだところ、気になる雑誌を発見しました。
ふだんはホビー誌のコーナーくらいしか詳しく見ないのですが、そこに向かう途中に「くるま」関係のコーナーを通っていると、なんかただならぬ雰囲気を湛えた表紙の本が目に入ったのです。
異様な大物感。大物というのは単なる大きなものという意味じゃなくて、鉄道車両でいうところの「シキ」感とでもいいましょうか、とにかく重量物を運搬するための巨大で豪快な感覚のことです。
とにかく鬼気迫るものを感じたので手に取って中をペラペラ見てみました。
あ、これ、普通の車雑誌じゃない。
パッと見、タイトルから想像するような、ちょいワル親父系がパジェロとかランクルとかの試乗をしたり、俺のカスタムカーを見てくれ的な投稿をしたりとか、そんな方面の安易なつくりではなく、鉄道雑誌でいうとネコパブリッシングとか、あっち方面の匂いがする。
で、問題の表紙ですが、これが今回の特集の目玉。
重量物運搬で知られた白田組の所有する(していた)民生改造型M26“ドラゴンワゴン”です。
現在はもう引退していますが、実車がまだ倉庫に保存されていて、そのカラー写真が満載なのです。
原型のキャビンは装甲化されていて民生用には向かなかったため、払下げを受けた直後に板金加工でオリジナルのものを製作し、載せ替えられたそうです。
原型はタミヤのキットでもおなじみの傾斜のついたキャビン形状ですが、鉄板を適当に溶接して作った無骨なキャビンもなかなかいい味出してますね。
なんかM65アトミックキャノンみたいな面構えです。
本文では略図ですが、白田組製のオリジナル400t用トレーラーとか無茶なものもばっちり掲載されていて、資料性は非常に高いです。コミケに出てる同人誌みたいなネタとノリが気に入ったので、速攻で購入しました。
トラウマ漫画の話
トラウマ漫画って誰しもあると思う。
幼少期に永井豪とかのエログロ漫画を見てショックを受けることもあるだろうし、図書館の「はだしのゲン」とかも多くのいたいけな少年少女をズンドコに叩き込んできたように思う。
で、昔からスレてた自分はそっち方面でショックを受けることはなかったんだけれども、1回読んだだけで「どうしても忘れられないスイッチ」の入ってしまう作品…ってのはあるもので、「絵がうまい」とか「話が面白い」とか「泣ける」とか、それこそ理由は様々なんだけれども、いくつかの作品がそうやってトゲのように心に刺さっている。
もちろん、ショックといっても、「怖い」とか「キモい」とかの悪い意味だけでなく、「斬新な表現だ!」とか「考えさせるテーマだ!」というプラスの要素も当然含む。
で、わざわざ紹介するんだから、今回はプラスのやつを。
年代的には高校生時代か、はたまた当時は鳥取県くらいにしか残っていなかった昭和な制度「高校専攻科」時代だと思う。
通ってた高校の近所(歩いて10分、チャリなら3分くらいのところ)に、ブックハウス山本という本屋があって、当時のことだからもう単行本にはビニールカバーがかけてあったと思うが、子供たちが群がって読むようなジャンプとかサンデーとか以外は、普通に立ち読みできていた。一年365日のうち、300日以上は本屋に通ってた時代なので、発売される漫画雑誌とかはほぼ全てチェックしていた。
この頃に読んだ作品のなかには、どうやっても二度と出会えない作品というのがあって、確かに存在したんだけれども、誰に聞いても詳細のはっきりしない幽霊みたいな話がある。個人的な二大巨頭は「バツ&テリー刑事編」と「イオナ中学生編」で、どちらも部分的なディテールはかなり正確に覚えていて、バツ&テリーの方は逃げる犯人を追跡するのに、店頭に展示してあったウィリアムズFW○○(型式までは覚えてない)をかっぱらってテリーが運転するというシーンがあったのを覚えているし、イオナでは田辺がみんなと同じ学校に行けなくて完璧にグレちゃってるという衝撃の展開があったのは間違いない。しかし、一回立ち読みしただけで、その後その辺りの後日談には出会えてないので、以来25年くらい悶々としている。
得られる教訓としては、雑誌掲載漫画は一期一会。「単行本に収録されるだろうから別にいいか…」は禁物ということ。
そんな人生勉強の末に、月5000円のお小遣いの中で買ったのが、この「ヤンジャンベアーズ」1992年夏号。

まあ、正直そんな売れ線の雑誌ではないのだが、永井豪、星野之宣、諸星大二郎なんつー大御所から、石川優吾、中島史雄らの実力派、この雑誌ではイロモノの唯登詩樹など錚々たるメンバーが名を連ねているが、そんなものは別にどうでもよく、それだけだったらこの雑誌は買っていない(事実、この号以外は1冊も買ってない)。
敢えてこの号を買った理由は、YJ月例賞入選作の戸田泰成「闘う男」が色々良くできててシビレたから、それだけだ。

なんていうか、雰囲気は集英社向けじゃなく、どちらかとえば白泉社とかでやってそうな実験的なテーマ(似たような話は世棄犬が「DOGMAN SCRAP」で描いてた)で、ぶっちゃけ「種としての人類の終焉」を扱った作品なんだけど、その完成度が異常に高く、同じ号に載ってるベテラン漫画家を完全に凌駕していた。
月刊コミコミ増刊「コミック読本 SF大特集」に士郎正宗なる作家の「ドミニオン」とかいう漫画が掲載されたときとか、コミックZipにChocoなる作家の「イグナクロス零号駅」なんていうオシャレな漫画が掲載されたときの衝撃と同等か、それ以上のものを感じた。
悩んだ末、なけなしの小遣いでこの号のベアーズを購入し、宝物棚にしまって今まで放置してきたのである。
以来23年。夏コミの原稿が終わってほとんど四半世紀ぶりに部屋の掃除をしていたら、この辺の妙に厚い雑誌系が出てきたので、いろいろと当時の思い出コミで語ってみた次第である。
結局戸田氏は創作系畑よりもオタク系アニメ作品のコミカライズで有名になり、以降はそっちの道に入られてしまったようだが、初期のSF作品は非常にレベルが高く、もう一度こっちの方面で力を発揮してほしいとも思うのだ。
幼少期に永井豪とかのエログロ漫画を見てショックを受けることもあるだろうし、図書館の「はだしのゲン」とかも多くのいたいけな少年少女をズンドコに叩き込んできたように思う。
で、昔からスレてた自分はそっち方面でショックを受けることはなかったんだけれども、1回読んだだけで「どうしても忘れられないスイッチ」の入ってしまう作品…ってのはあるもので、「絵がうまい」とか「話が面白い」とか「泣ける」とか、それこそ理由は様々なんだけれども、いくつかの作品がそうやってトゲのように心に刺さっている。
もちろん、ショックといっても、「怖い」とか「キモい」とかの悪い意味だけでなく、「斬新な表現だ!」とか「考えさせるテーマだ!」というプラスの要素も当然含む。
で、わざわざ紹介するんだから、今回はプラスのやつを。
年代的には高校生時代か、はたまた当時は鳥取県くらいにしか残っていなかった昭和な制度「高校専攻科」時代だと思う。
通ってた高校の近所(歩いて10分、チャリなら3分くらいのところ)に、ブックハウス山本という本屋があって、当時のことだからもう単行本にはビニールカバーがかけてあったと思うが、子供たちが群がって読むようなジャンプとかサンデーとか以外は、普通に立ち読みできていた。一年365日のうち、300日以上は本屋に通ってた時代なので、発売される漫画雑誌とかはほぼ全てチェックしていた。
この頃に読んだ作品のなかには、どうやっても二度と出会えない作品というのがあって、確かに存在したんだけれども、誰に聞いても詳細のはっきりしない幽霊みたいな話がある。個人的な二大巨頭は「バツ&テリー刑事編」と「イオナ中学生編」で、どちらも部分的なディテールはかなり正確に覚えていて、バツ&テリーの方は逃げる犯人を追跡するのに、店頭に展示してあったウィリアムズFW○○(型式までは覚えてない)をかっぱらってテリーが運転するというシーンがあったのを覚えているし、イオナでは田辺がみんなと同じ学校に行けなくて完璧にグレちゃってるという衝撃の展開があったのは間違いない。しかし、一回立ち読みしただけで、その後その辺りの後日談には出会えてないので、以来25年くらい悶々としている。
得られる教訓としては、雑誌掲載漫画は一期一会。「単行本に収録されるだろうから別にいいか…」は禁物ということ。
そんな人生勉強の末に、月5000円のお小遣いの中で買ったのが、この「ヤンジャンベアーズ」1992年夏号。

まあ、正直そんな売れ線の雑誌ではないのだが、永井豪、星野之宣、諸星大二郎なんつー大御所から、石川優吾、中島史雄らの実力派、この雑誌ではイロモノの唯登詩樹など錚々たるメンバーが名を連ねているが、そんなものは別にどうでもよく、それだけだったらこの雑誌は買っていない(事実、この号以外は1冊も買ってない)。
敢えてこの号を買った理由は、YJ月例賞入選作の戸田泰成「闘う男」が色々良くできててシビレたから、それだけだ。

なんていうか、雰囲気は集英社向けじゃなく、どちらかとえば白泉社とかでやってそうな実験的なテーマ(似たような話は世棄犬が「DOGMAN SCRAP」で描いてた)で、ぶっちゃけ「種としての人類の終焉」を扱った作品なんだけど、その完成度が異常に高く、同じ号に載ってるベテラン漫画家を完全に凌駕していた。
月刊コミコミ増刊「コミック読本 SF大特集」に士郎正宗なる作家の「ドミニオン」とかいう漫画が掲載されたときとか、コミックZipにChocoなる作家の「イグナクロス零号駅」なんていうオシャレな漫画が掲載されたときの衝撃と同等か、それ以上のものを感じた。
悩んだ末、なけなしの小遣いでこの号のベアーズを購入し、宝物棚にしまって今まで放置してきたのである。
以来23年。夏コミの原稿が終わってほとんど四半世紀ぶりに部屋の掃除をしていたら、この辺の妙に厚い雑誌系が出てきたので、いろいろと当時の思い出コミで語ってみた次第である。
結局戸田氏は創作系畑よりもオタク系アニメ作品のコミカライズで有名になり、以降はそっちの道に入られてしまったようだが、初期のSF作品は非常にレベルが高く、もう一度こっちの方面で力を発揮してほしいとも思うのだ。
モデルアート日本の客船シリーズ
前にフェリー関係の資料を紹介しましたが、今回は日本の客船シリーズについてご紹介します。
このシリーズは『月刊モデルアート』の別冊として刊行されて「いた」もので、現在はストップしています。
さすがにネタ的にシブすぎたのか、模型展開の方も合わせて息が続かなかった感じです。
ですが、それだけに類書がなく、非常にためになります。
他では船の科学館で売ってる「新田丸」とか、極めて限られる情報が、こうやって展開してくれたことはたいへん嬉しかったので、大して続かなかったのが結構ショックではありました。
ただ、そこそこ思い入れのある企画だったのか、最近「艦船模型スペシャル」の中の一コーナーとして、客船のページが載っているので、とりあえずこんなところからでもエールを送りながら期待しております。





このシリーズは『月刊モデルアート』の別冊として刊行されて「いた」もので、現在はストップしています。
さすがにネタ的にシブすぎたのか、模型展開の方も合わせて息が続かなかった感じです。
ですが、それだけに類書がなく、非常にためになります。
他では船の科学館で売ってる「新田丸」とか、極めて限られる情報が、こうやって展開してくれたことはたいへん嬉しかったので、大して続かなかったのが結構ショックではありました。
ただ、そこそこ思い入れのある企画だったのか、最近「艦船模型スペシャル」の中の一コーナーとして、客船のページが載っているので、とりあえずこんなところからでもエールを送りながら期待しております。





タグ : 艦船
冬の鉄道資料本
冬コミ2日目にあたる12月29日はあいにくの天気で外に出るのが億劫だったので、池袋のジュンク堂、神保町の書泉グランデ等をめぐり、各種専門書籍を購入してきました。今回はそのなかでも鉄道関係の資料本を紹介したいと思います。
■北海道の国鉄廃線関係

『北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路』工藤裕之 北海道新聞社 2011(2,500円+税)

『北海道の大地から消えた鉄道風景』エムジー・コーポレーション 2012(1,800円+税)
青函連絡船に興味をもった関係で、それなら北海道の廃線についても勉強してみようと書棚を眺めていたら、良さそうな本があったので、いくつか購入してみました。
いずれも内容は昭和末期の国鉄合理化時代に廃止されたものがメインで、写真はカラーが基本です。編集も写真集的な雰囲気で、気合の入った構図のカラー写真がふんだんに使用され、眺めているだけでも楽しい本です。
判型的には、前者がA5版、後者がB5版で、写真が見やすいのは後者の方です。ただ、厚みは前者の方が倍以上あり、情報量はこちらの方が多い感じです。
いずれも国鉄廃止路線が主で、北海道鉄道史を彩るもうひとつの重要テーマである拓殖鉄道関係は特に触れられていません。そっち系はそっち系で詳しい資料が出ているので、これらは団塊世代向けノスタルジー本として企画されたものでしょう。こういうのが好きな人にはたまらない本ですが、タイトルだけから連想されるものとはやや異なるという印象ですので、国鉄ローカル線好きなら必買、拓殖鉄道好きならスルーをお勧めします。
■マイナーな廃止ローカル線関係

『青春のアルバム 豊橋鉄道田口線』小早川秀樹 2006(2,800円+税)

『思い出で包む善白鉄道』柏企画 2006(1,400円+税)
「知らない鉄道ってまだまだあるんだなぁ」という意味で、面白そうなものをいくつか購入。
前者は国鉄飯田線本長篠駅と接続していた豊橋鉄道の廃止路線、後者は戦時中の一時期だけ存在した善光寺白馬電鉄の記録です。
前者は「本当にこの値段でいいの?」というくらいカラー写真中心の編集で、資料性の高さ、芸術写真だけでなく同時代の記録的な写真の多さ等の理由で、個人的に非常にコストパフォーマンスの高い本となっています。全国の廃止路線の資料本は「この本を手本にしてほしい」とまで思えるような熱量のこもった1冊です。
後者は、昭和11年から19年までしか営業していないため、あまりにも資料が少なくRMライブラリー等でフォローしにくいテーマなので、入手できるときにしておかないと後で悔しい思いをするパターンです。こちらは郷土出版的な手作り感あふれる編集で、車両そのものの写真は数枚しか掲載されていません。ただ、今後このテーマで別の本が出版される可能性はほとんどゼロだと思いますので、少しでも興味のある方は、まだ市場に残っているうちに入手されることをお勧めします。
■模型製作用資料

『尾小屋鉄道 非電化軽便鉄道の記録』モデル8 2014(1,500円+税)
一昨年、春の連休に北陸へ旅行した折、万難を排して乗りにいった尾小屋鉄道。
鉱山記念館で往時の写真をみることができましたが、そのあたりの残存資料をもとに編纂された資料本が発行されていたので迷わず購入しました。
とりあげられている車輛は、石川県内の「なかよし鉄道」や「ポッポ汽車展示館」で今も元気に動態保存されています。興味のある方は、ウェブ等で展示日を調べて現地に行ってみるのも一興かと思います。ゴールデンウィークなど特別な日には実際に乗車できるイベントもあるので、狙うとしたらそういうタイミングがいいと思います。
■その他

『産業ロコ 岩堀春夫写真集』ないねん出版 1999(2,000円+税)
ないねん出版のスイッチャー本は見つけるたびに買っていたので、なんかこの本も激しく持ってる気がするのですが、断言できるだけの自信がないのでとりあえず購入しました。
カラー頁と白黒頁が交互に配された編集で、日本全国津々浦々、古いものから新しいものまで、入れ替え機がたんまりと紹介されています。読み物ではなく、かといって写真集というでもなく、型式写真資料集といった趣です。
「スイッチャーに興味はあるけど、何か一冊おすすめはありますか?」と聞かれたら、とりあえずこの本を推薦しておきます。
■北海道の国鉄廃線関係

『北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路』工藤裕之 北海道新聞社 2011(2,500円+税)

『北海道の大地から消えた鉄道風景』エムジー・コーポレーション 2012(1,800円+税)
青函連絡船に興味をもった関係で、それなら北海道の廃線についても勉強してみようと書棚を眺めていたら、良さそうな本があったので、いくつか購入してみました。
いずれも内容は昭和末期の国鉄合理化時代に廃止されたものがメインで、写真はカラーが基本です。編集も写真集的な雰囲気で、気合の入った構図のカラー写真がふんだんに使用され、眺めているだけでも楽しい本です。
判型的には、前者がA5版、後者がB5版で、写真が見やすいのは後者の方です。ただ、厚みは前者の方が倍以上あり、情報量はこちらの方が多い感じです。
いずれも国鉄廃止路線が主で、北海道鉄道史を彩るもうひとつの重要テーマである拓殖鉄道関係は特に触れられていません。そっち系はそっち系で詳しい資料が出ているので、これらは団塊世代向けノスタルジー本として企画されたものでしょう。こういうのが好きな人にはたまらない本ですが、タイトルだけから連想されるものとはやや異なるという印象ですので、国鉄ローカル線好きなら必買、拓殖鉄道好きならスルーをお勧めします。
■マイナーな廃止ローカル線関係

『青春のアルバム 豊橋鉄道田口線』小早川秀樹 2006(2,800円+税)

『思い出で包む善白鉄道』柏企画 2006(1,400円+税)
「知らない鉄道ってまだまだあるんだなぁ」という意味で、面白そうなものをいくつか購入。
前者は国鉄飯田線本長篠駅と接続していた豊橋鉄道の廃止路線、後者は戦時中の一時期だけ存在した善光寺白馬電鉄の記録です。
前者は「本当にこの値段でいいの?」というくらいカラー写真中心の編集で、資料性の高さ、芸術写真だけでなく同時代の記録的な写真の多さ等の理由で、個人的に非常にコストパフォーマンスの高い本となっています。全国の廃止路線の資料本は「この本を手本にしてほしい」とまで思えるような熱量のこもった1冊です。
後者は、昭和11年から19年までしか営業していないため、あまりにも資料が少なくRMライブラリー等でフォローしにくいテーマなので、入手できるときにしておかないと後で悔しい思いをするパターンです。こちらは郷土出版的な手作り感あふれる編集で、車両そのものの写真は数枚しか掲載されていません。ただ、今後このテーマで別の本が出版される可能性はほとんどゼロだと思いますので、少しでも興味のある方は、まだ市場に残っているうちに入手されることをお勧めします。
■模型製作用資料

『尾小屋鉄道 非電化軽便鉄道の記録』モデル8 2014(1,500円+税)
一昨年、春の連休に北陸へ旅行した折、万難を排して乗りにいった尾小屋鉄道。
鉱山記念館で往時の写真をみることができましたが、そのあたりの残存資料をもとに編纂された資料本が発行されていたので迷わず購入しました。
とりあげられている車輛は、石川県内の「なかよし鉄道」や「ポッポ汽車展示館」で今も元気に動態保存されています。興味のある方は、ウェブ等で展示日を調べて現地に行ってみるのも一興かと思います。ゴールデンウィークなど特別な日には実際に乗車できるイベントもあるので、狙うとしたらそういうタイミングがいいと思います。
■その他

『産業ロコ 岩堀春夫写真集』ないねん出版 1999(2,000円+税)
ないねん出版のスイッチャー本は見つけるたびに買っていたので、なんかこの本も激しく持ってる気がするのですが、断言できるだけの自信がないのでとりあえず購入しました。
カラー頁と白黒頁が交互に配された編集で、日本全国津々浦々、古いものから新しいものまで、入れ替え機がたんまりと紹介されています。読み物ではなく、かといって写真集というでもなく、型式写真資料集といった趣です。
「スイッチャーに興味はあるけど、何か一冊おすすめはありますか?」と聞かれたら、とりあえずこの本を推薦しておきます。
新刊ラッシュ
12月は前半が冬コミ合原稿で手一杯、第3週は新年度予算の資料づくりで毎晩夜中まで、そうこうしているうちに第4週となってしまいました。
この間、ほとんどそれしかしていない状態だったので、本屋にもまったく行けなかったのですが、ここ数日、ようやく時間がとれるようになりました。
冬休みの行動としては、27日早朝には上京しますので、できれば電車の中で読むための文庫本を入手しておきたいところです(マンガだとすぐ読み終わってしまうので、小説がいいのです)。
そんなわけで、良さそうな新刊が出ないか期待していたのですが、今年の冬は例年になく豊作で、2,3日は退屈しないで済みそうです。

まずは『天冥の標VIII ジャイアント・アークPART.2』。
読んでも決してスカッとしない重いテーマの作品ですが、一度読み始めたら全体のオチをみるまで途中で止められないんですよね。ライトノベルと違って一気読みすると頭が飽和してしまうので、この作品は冷却期間のおける、これくらいのペースで出るのがベストなんじゃないかと思います。

次は『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝四「白銀の晶姫編」』、本編が一応の区切りを迎えたあとしばらく続いた外伝シリーズの完結篇だと聞いていますが、どんなたたみ方をするのか興味があります。アニメ化されるそうですので、未読の方はこの機会に本編だけでもチェックしてみてはどうでしょうか。本編全部と外伝1までは文庫版が刊行されていますので、これから読んでみようという向きには、手軽な文庫版がおススメです。ちなみに、自分は極少数派と思われるピニャ派なので、割と気楽にのほほんと読むことができます。どうせメインキャラじゃないし的な。

最後に『ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~』。
気がつけばもう6巻ですが、とりあえずまだ終わりではなかったようです。
作者いわく7巻か8巻で完結とのことですが、土壇場で大人の事情が発動しないか微妙に心配です。
中身はまだ読んでないので特に触れることもないのですが、人気作品の発売日ということで、地元の書店の対応が色々だったのが面白かったです。超ローカルな話題で恐縮ですが、今井書店パープル店では昼休み時点でまだ陳列されておらず、午前中に並んでたTSUTAYAに出し抜かれてました。夕方に再度寄ってみたところ、今井では人気作の新刊コーナーの大部分と、メディアワークス文庫のコーナーの平積み部分の大部分、文庫新刊コーナーの一角、レジ横と異例の全力対応をしていました。たぶん、この準備で時間がかかったのだと思われます。どうせ読むのは27日以降になるのに、自分はついつい昼休みにTSUTAYAで買ってしまいました。
あ、今井に再度寄ったのには理由があって、こちらも昼休み時点で並んでいなかった『ゲート』の新刊を探しにいったのでした。到着は夕方6時半頃になってしまいましたが、その時点で新刊は1冊しかありませんでした。書店側が1冊しか発注していなかったのか、取次から1冊しか配本されなかったのか、はたまた高校生とかが日中に買っていってしまって1冊しか残っていなかったのか、そこらへんは難しいところですが、棚の空き具合(そもそも平積みですらない)からすると、1冊分の隙間しかなかったので、どうも飛ぶように売れた結果というわけではないのでしょう。このシリーズ、判型が特殊なためか、はたまた出版社のアルファポリスに馴染みがないせいか、田舎の書店にはちゃんとしたコーナーがありません。鳥取県中部では、唯一この今井書店さんが特設コーナーを設けてくれていますが、売れ行きが鈍れば即撤去されてしまいそうな危機感を醸し出しています。
ちなみに『天冥の標』も今井書店で購入しましたが、このシリーズもずいぶん前から1冊しか入荷していません。たぶん、実績が1冊(つまり自分の購入している分)しか売れてないんでしょう。文庫棚にハヤカワ文庫のコーナーというものがそもそもないうえに、小川一水の既刊が一冊も置いてないというのが鳥取県中部の文化レベルを如実に表しているようでさみしくなります。
『ゲート』と『天冥の標』の新刊が1冊しか入らない(ひょっとしたら自分より先に買っている強者が一人二人存在するのかもしませんが…)状況には、もうちょっと危機感を持った方がいいかもしれません。
そうそう、小川一水といえば『こちら郵政省特配課』の文庫版。
書き下ろしパートが入っているので気になっているのですが、こちらは既読の部分が9割以上と、お出かけ中に読むには荷物になるので、実家に帰ってから正月休みにでも手を出してみようと思います。
この間、ほとんどそれしかしていない状態だったので、本屋にもまったく行けなかったのですが、ここ数日、ようやく時間がとれるようになりました。
冬休みの行動としては、27日早朝には上京しますので、できれば電車の中で読むための文庫本を入手しておきたいところです(マンガだとすぐ読み終わってしまうので、小説がいいのです)。
そんなわけで、良さそうな新刊が出ないか期待していたのですが、今年の冬は例年になく豊作で、2,3日は退屈しないで済みそうです。

まずは『天冥の標VIII ジャイアント・アークPART.2』。
読んでも決してスカッとしない重いテーマの作品ですが、一度読み始めたら全体のオチをみるまで途中で止められないんですよね。ライトノベルと違って一気読みすると頭が飽和してしまうので、この作品は冷却期間のおける、これくらいのペースで出るのがベストなんじゃないかと思います。

次は『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 外伝四「白銀の晶姫編」』、本編が一応の区切りを迎えたあとしばらく続いた外伝シリーズの完結篇だと聞いていますが、どんなたたみ方をするのか興味があります。アニメ化されるそうですので、未読の方はこの機会に本編だけでもチェックしてみてはどうでしょうか。本編全部と外伝1までは文庫版が刊行されていますので、これから読んでみようという向きには、手軽な文庫版がおススメです。ちなみに、自分は極少数派と思われるピニャ派なので、割と気楽にのほほんと読むことができます。どうせメインキャラじゃないし的な。

最後に『ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~』。
気がつけばもう6巻ですが、とりあえずまだ終わりではなかったようです。
作者いわく7巻か8巻で完結とのことですが、土壇場で大人の事情が発動しないか微妙に心配です。
中身はまだ読んでないので特に触れることもないのですが、人気作品の発売日ということで、地元の書店の対応が色々だったのが面白かったです。超ローカルな話題で恐縮ですが、今井書店パープル店では昼休み時点でまだ陳列されておらず、午前中に並んでたTSUTAYAに出し抜かれてました。夕方に再度寄ってみたところ、今井では人気作の新刊コーナーの大部分と、メディアワークス文庫のコーナーの平積み部分の大部分、文庫新刊コーナーの一角、レジ横と異例の全力対応をしていました。たぶん、この準備で時間がかかったのだと思われます。どうせ読むのは27日以降になるのに、自分はついつい昼休みにTSUTAYAで買ってしまいました。
あ、今井に再度寄ったのには理由があって、こちらも昼休み時点で並んでいなかった『ゲート』の新刊を探しにいったのでした。到着は夕方6時半頃になってしまいましたが、その時点で新刊は1冊しかありませんでした。書店側が1冊しか発注していなかったのか、取次から1冊しか配本されなかったのか、はたまた高校生とかが日中に買っていってしまって1冊しか残っていなかったのか、そこらへんは難しいところですが、棚の空き具合(そもそも平積みですらない)からすると、1冊分の隙間しかなかったので、どうも飛ぶように売れた結果というわけではないのでしょう。このシリーズ、判型が特殊なためか、はたまた出版社のアルファポリスに馴染みがないせいか、田舎の書店にはちゃんとしたコーナーがありません。鳥取県中部では、唯一この今井書店さんが特設コーナーを設けてくれていますが、売れ行きが鈍れば即撤去されてしまいそうな危機感を醸し出しています。
ちなみに『天冥の標』も今井書店で購入しましたが、このシリーズもずいぶん前から1冊しか入荷していません。たぶん、実績が1冊(つまり自分の購入している分)しか売れてないんでしょう。文庫棚にハヤカワ文庫のコーナーというものがそもそもないうえに、小川一水の既刊が一冊も置いてないというのが鳥取県中部の文化レベルを如実に表しているようでさみしくなります。
『ゲート』と『天冥の標』の新刊が1冊しか入らない(ひょっとしたら自分より先に買っている強者が一人二人存在するのかもしませんが…)状況には、もうちょっと危機感を持った方がいいかもしれません。
そうそう、小川一水といえば『こちら郵政省特配課』の文庫版。
書き下ろしパートが入っているので気になっているのですが、こちらは既読の部分が9割以上と、お出かけ中に読むには荷物になるので、実家に帰ってから正月休みにでも手を出してみようと思います。
掟上今日子の備忘録
遅くまで開いてる本屋とネットショッピングは実に便利。
というわけで、今週は仕事上でバタバタしていてゆっくり何かする余裕が持てなかったが、それらのおかげで季節感というか今が何月何日でどんな時期なのかを見失わずにすんだ。
まあ、ねんどろいどプチの箱買いとか、いつ注文したのかも忘れていたのに届いてびっくりしたわけだが。
そんなわけで、帰りが遅くなっても深夜まで営業している書店があるおかげで、ちゃんと新刊も購入できる。
先日は『掟上今日子の備忘録』を無事入手。

何が無事なんだかというと、そもそもこの本の表紙デザインはわかっているのだが、判型とか装丁とかそういった情報を一切入れずに探していたので、第1話がおまけについていた『続終物語』なんかの近くにあるんだろうと勝手に思い込んでいた。
まあ、書店によっては商売上の戦略としてそういう陳列にするところもなくはないのだろうが、田舎の書店はそういう踏み込んだことはしない。よって、小一時間くらい探してしまった。
いや、「店員に聞けよ!」といわれるかもしれないが、地元の書店ってもう何十年も毎日のように通っているわけで、流行りの作家の新刊を発売日に買いに来ておきながら、「どこにありますか?」と聞くのはなんか自分で許せないような気がするわけで。
面倒なヤツだなと思われて結構。
そんなわけで探索した結果、直木賞作家とかハードカバーの海外翻訳小説とかが並んでいるコーナー(オタクが普段スルーしがちな場所)に平積みしてあった。
そりゃわからんわ。
というわけで、そこそこ苦労して購入したわけだし、一応探偵モノだし、ネットでネタばれを踏まないとも限らないので、さっそく読んでみた。
いつもこんなことを書いている気がするが、普通に面白かった。
まだシリーズ第一作ということで、キャラの紹介に「男女の関係にもぜんぜん進展がないわけじゃないよ」的な余韻が附け加えられただけの状態という感じで、面白くなるかどうかはこれから…というのが正直なところ。
かつて「ビブリア古書堂」シリーズで栞子さんのキャラで読ませていると書いたが、それはこちらも同じ。
流行りに乗っかるのは別に悪いことじゃないし、あとは設定とかキャラの造形とかトリックのネタとかそのへんで読ませてくれればそれでよい。
ただ、感じたことはいくつかあって。
読後感はさわやか、代金とかけた時間からすれば十分に満足でき、はやくも次回作が読みたくなる…というプラスの点がある一方、個人的には「もっかい読み返そう」という気があまりしないのが気になる。
まだ一作目だからして、シリーズ通しての伏線がこの1巻に仕込まれていてもそれを思い出す必要がないからとか、推理モノなんてネタばれしちゃったあとに読み返しても初回ほど面白くないのは当たり前じゃんというのはあるにせよ、内容が実に淡々としているというか、物語シリーズのような「濃密」な演出をあえてザックリ省いてしまったかのような淡泊な味つけが妙に目立つ。
まあ、この作者の作品を追っかけてきたような「オタクな?読者」にとっては、置いてけぼり感が目立つかもしれないが、ビブリア~以来の流行に乗っかってもっとライトな層に売り込んでいこうという作戦なんだろうから、野暮なこと言うなよという気はする。
内容については「推理モノ」といっても、作者が提示するヒントに読者が挑戦するたぐいの「ほれ、解いてみ!」系の作品ではない。
読者に提示されていない情報でもって、主人公が真相をズバリと言い当てるという反則技がバンバン乱れ飛ぶ。
だが自分はそれでいいと思う。
反則だろうがなんだろうが面白ければそれでいいじゃないか。
自分が気になったのはそんなカテゴライズの話ではなく、肝心の主人公の「推理」についてのディテール。
作中のある事件で、大量の文章の中から「自殺」とそれに類する単語がないかどうか調べるというエピソードがあるのだが、結局その線での調査が実を結ぶことはなかった(結果が判明しない)ため、読者的には深く追求されていないようである。
しかし、作中では「結果が判明していない」ことが仄めかされているのに対し、調査過程で「安楽死」というワードがすでに登場している。
確かに「安楽死」は厳密には自殺とはニュアンスが違うため、作者も編集者もノーカウントとしたのかもしれないが、読者としては非常にモヤモヤする。
作中では登場人物がそれを懸命に調査しているわけで、なにか重要な証拠なんじゃないかと気になるじゃないか。
単なる引っかけならきちんと後でその線をつぶしておいてほしいとは思う。
でも、気になったのはその点くらいで、あとはこの短い分量で結構話は進んだと思う。
展開や構成はさすがにうまい。
それとネット通販のはなし。
家に帰ると異常にでかい箱が届いていた。

『ガールズ&パンツァー完全設定資料集』
注文したのを忘れていたのと、まさかこんな判型だとは思わなかったので、一瞬その大きさと重さにたじろいだ。
箱を開けてみて納得。
しかし新たな問題が…
この手のスタイルのコレクション性の高い販売方法と装丁だと、自分には最終的な封を切るという度胸がない。
10年前に通販で買ったこっちも、結局いままで一度も開けていない。

『サクラ大戦クロニクルBOX』
しかも、こっちは輸送用スリーブと、その上にまかれたクッション材さえ剥がすにしのびなく、泣く泣く予備の一冊を追加購入したのに、それが届いたときのシュリンクが怖くて剥がせないというチキンっぷり。
なんのための予備だよ!
そんなわけで、大事なものほど中身がわからないというダメっぷりを今回もまた上書きしてしまうのだろうか。
このあと、映画版の情報を追加した「完全設定資料集・改」とか出ないかな?
そしたら安心して読めるのに…
というわけで、今週は仕事上でバタバタしていてゆっくり何かする余裕が持てなかったが、それらのおかげで季節感というか今が何月何日でどんな時期なのかを見失わずにすんだ。
まあ、ねんどろいどプチの箱買いとか、いつ注文したのかも忘れていたのに届いてびっくりしたわけだが。
そんなわけで、帰りが遅くなっても深夜まで営業している書店があるおかげで、ちゃんと新刊も購入できる。
先日は『掟上今日子の備忘録』を無事入手。

何が無事なんだかというと、そもそもこの本の表紙デザインはわかっているのだが、判型とか装丁とかそういった情報を一切入れずに探していたので、第1話がおまけについていた『続終物語』なんかの近くにあるんだろうと勝手に思い込んでいた。
まあ、書店によっては商売上の戦略としてそういう陳列にするところもなくはないのだろうが、田舎の書店はそういう踏み込んだことはしない。よって、小一時間くらい探してしまった。
いや、「店員に聞けよ!」といわれるかもしれないが、地元の書店ってもう何十年も毎日のように通っているわけで、流行りの作家の新刊を発売日に買いに来ておきながら、「どこにありますか?」と聞くのはなんか自分で許せないような気がするわけで。
面倒なヤツだなと思われて結構。
そんなわけで探索した結果、直木賞作家とかハードカバーの海外翻訳小説とかが並んでいるコーナー(オタクが普段スルーしがちな場所)に平積みしてあった。
そりゃわからんわ。
というわけで、そこそこ苦労して購入したわけだし、一応探偵モノだし、ネットでネタばれを踏まないとも限らないので、さっそく読んでみた。
いつもこんなことを書いている気がするが、普通に面白かった。
まだシリーズ第一作ということで、キャラの紹介に「男女の関係にもぜんぜん進展がないわけじゃないよ」的な余韻が附け加えられただけの状態という感じで、面白くなるかどうかはこれから…というのが正直なところ。
かつて「ビブリア古書堂」シリーズで栞子さんのキャラで読ませていると書いたが、それはこちらも同じ。
流行りに乗っかるのは別に悪いことじゃないし、あとは設定とかキャラの造形とかトリックのネタとかそのへんで読ませてくれればそれでよい。
ただ、感じたことはいくつかあって。
読後感はさわやか、代金とかけた時間からすれば十分に満足でき、はやくも次回作が読みたくなる…というプラスの点がある一方、個人的には「もっかい読み返そう」という気があまりしないのが気になる。
まだ一作目だからして、シリーズ通しての伏線がこの1巻に仕込まれていてもそれを思い出す必要がないからとか、推理モノなんてネタばれしちゃったあとに読み返しても初回ほど面白くないのは当たり前じゃんというのはあるにせよ、内容が実に淡々としているというか、物語シリーズのような「濃密」な演出をあえてザックリ省いてしまったかのような淡泊な味つけが妙に目立つ。
まあ、この作者の作品を追っかけてきたような「オタクな?読者」にとっては、置いてけぼり感が目立つかもしれないが、ビブリア~以来の流行に乗っかってもっとライトな層に売り込んでいこうという作戦なんだろうから、野暮なこと言うなよという気はする。
内容については「推理モノ」といっても、作者が提示するヒントに読者が挑戦するたぐいの「ほれ、解いてみ!」系の作品ではない。
読者に提示されていない情報でもって、主人公が真相をズバリと言い当てるという反則技がバンバン乱れ飛ぶ。
だが自分はそれでいいと思う。
反則だろうがなんだろうが面白ければそれでいいじゃないか。
自分が気になったのはそんなカテゴライズの話ではなく、肝心の主人公の「推理」についてのディテール。
作中のある事件で、大量の文章の中から「自殺」とそれに類する単語がないかどうか調べるというエピソードがあるのだが、結局その線での調査が実を結ぶことはなかった(結果が判明しない)ため、読者的には深く追求されていないようである。
しかし、作中では「結果が判明していない」ことが仄めかされているのに対し、調査過程で「安楽死」というワードがすでに登場している。
確かに「安楽死」は厳密には自殺とはニュアンスが違うため、作者も編集者もノーカウントとしたのかもしれないが、読者としては非常にモヤモヤする。
作中では登場人物がそれを懸命に調査しているわけで、なにか重要な証拠なんじゃないかと気になるじゃないか。
単なる引っかけならきちんと後でその線をつぶしておいてほしいとは思う。
でも、気になったのはその点くらいで、あとはこの短い分量で結構話は進んだと思う。
展開や構成はさすがにうまい。
それとネット通販のはなし。
家に帰ると異常にでかい箱が届いていた。

『ガールズ&パンツァー完全設定資料集』
注文したのを忘れていたのと、まさかこんな判型だとは思わなかったので、一瞬その大きさと重さにたじろいだ。
箱を開けてみて納得。
しかし新たな問題が…
この手のスタイルのコレクション性の高い販売方法と装丁だと、自分には最終的な封を切るという度胸がない。
10年前に通販で買ったこっちも、結局いままで一度も開けていない。

『サクラ大戦クロニクルBOX』
しかも、こっちは輸送用スリーブと、その上にまかれたクッション材さえ剥がすにしのびなく、泣く泣く予備の一冊を追加購入したのに、それが届いたときのシュリンクが怖くて剥がせないというチキンっぷり。
なんのための予備だよ!
そんなわけで、大事なものほど中身がわからないというダメっぷりを今回もまた上書きしてしまうのだろうか。
このあと、映画版の情報を追加した「完全設定資料集・改」とか出ないかな?
そしたら安心して読めるのに…
タグ : 西尾維新
夏の買い物備忘録
夏コミ時の上京で狩ってきた資料です。
ほっとくと積読だけになって数年後にひょっこり同じ本を買ってしまうので、メモ的に記録を残しておきます。
今回は鉄道関係から写真集的なものを紹介。

『私鉄車両シリーズ1 江ノ電』ジェー・アール・アール 1998
なんていうか、「保育社の私鉄の車両シリーズの同人誌版」みたいな本といえば、しかるべき人には通じるんじゃないかと。クリアなカラー写真とモノクロ形式写真、編成表や竣工図、台車や集電装置、冷房装置のディテールなどを満載した最強クラスの資料集です。
ちなみに保育社の私鉄シリーズはネコパブリッシングから復刻されてますので、興味のある方はどうぞ。

『【復刻版】私鉄の車両9 西日本鉄道』ネコパブリッシング 2002
これがその復刻版です。
今回は未入手の路線のうち、西日本鉄道を買ってみました。
東急、関東鉄道、富山地方鉄道、名鉄、京成と気に入ったものからつまみ食い的に買っているんですが、田舎と違って都会ではちょっとした空き時間とか電車の中で読めるサイズの本が欲しくなるもので、上京するたびに1冊ずつ買い足すような感じになっています。

『写真でつづる静岡鉄道駿遠線-日本一の軽便鉄道-』阿形昭 静岡新聞社 2006
本当に写真集です。巻頭に15ページほどあるカラー写真以外は全部モノクロですが、全駅の写真を収録しているなど資料的価値は高いと思います。写真掲載305枚は伊達じゃないということで。

『さよなら!くりでん「くりはら田園鉄道」公式メモリアルブック」』エムジー・コーポレーション 2007
一冊の冊子としてのまとまりでいえば、今回もっともバランスの良い編集で万人向けです。
特別展の図録みたいな感じというか、グッズ的に持っておきたいと思わせる一冊です。

『りんご電車とその仲間たち 長野電鉄写真集』後藤文男 交友社 2011
写真集としての完成度では断トツです。ぴか一です。
1970年代から今日までの長野電鉄の車両たちが、美麗な写真で掲載されています。
これだけの本(本文96ページ)が本体価格2,000円で買えるってのは幸せだと思います。
長野電鉄好きならばマストな一冊でしょう。

『風のレールウェイ 下津井電鉄創立100周年記念写真集』秋山雅紀 吉備人出版 2011
表紙を見て気づけよ!と言われるかもしれませんが、買って帰ってビニールをはがして驚いたのが、この本100%モノクロ写真です。
すんごく古い時代の鉄道ならいざしらず、下津井電鉄は平成の世まで走っていた鉄道ですから、当然カラー写真もいっぱいだろうと思い込んでいたので、その点ではがっかりしました。
しかし、チョイスされた写真自体はどれも貴重なもので、下津井ファンとしてはやはり手元においておきたい一冊には違いありません。
値段がちょっと張りますが、この手の本は見かけなくなってから探すのは不可能に近いので、ちょっとでも興味があれば、押さえておくことをおすすめします。

『今は無き私鉄・専用線の機関車たち 小菅一己写真集』小菅一己 2014
ISBNコードとかないんで自費出版っぽいですね。
テーマ的に人を選ぶ代物ですが、テーマの希少性からいっても、完成度の点からいっても、内容は最高級です。
値段1,800円+税となってますが、フルカラーで本文約120ページというのは超大盤振る舞いといっていいでしょう。
コミケで売ったらあっという間に完売じゃないでしょうか?
今回最大の掘り出し物です。
ほっとくと積読だけになって数年後にひょっこり同じ本を買ってしまうので、メモ的に記録を残しておきます。
今回は鉄道関係から写真集的なものを紹介。

『私鉄車両シリーズ1 江ノ電』ジェー・アール・アール 1998
なんていうか、「保育社の私鉄の車両シリーズの同人誌版」みたいな本といえば、しかるべき人には通じるんじゃないかと。クリアなカラー写真とモノクロ形式写真、編成表や竣工図、台車や集電装置、冷房装置のディテールなどを満載した最強クラスの資料集です。
ちなみに保育社の私鉄シリーズはネコパブリッシングから復刻されてますので、興味のある方はどうぞ。

『【復刻版】私鉄の車両9 西日本鉄道』ネコパブリッシング 2002
これがその復刻版です。
今回は未入手の路線のうち、西日本鉄道を買ってみました。
東急、関東鉄道、富山地方鉄道、名鉄、京成と気に入ったものからつまみ食い的に買っているんですが、田舎と違って都会ではちょっとした空き時間とか電車の中で読めるサイズの本が欲しくなるもので、上京するたびに1冊ずつ買い足すような感じになっています。

『写真でつづる静岡鉄道駿遠線-日本一の軽便鉄道-』阿形昭 静岡新聞社 2006
本当に写真集です。巻頭に15ページほどあるカラー写真以外は全部モノクロですが、全駅の写真を収録しているなど資料的価値は高いと思います。写真掲載305枚は伊達じゃないということで。

『さよなら!くりでん「くりはら田園鉄道」公式メモリアルブック」』エムジー・コーポレーション 2007
一冊の冊子としてのまとまりでいえば、今回もっともバランスの良い編集で万人向けです。
特別展の図録みたいな感じというか、グッズ的に持っておきたいと思わせる一冊です。

『りんご電車とその仲間たち 長野電鉄写真集』後藤文男 交友社 2011
写真集としての完成度では断トツです。ぴか一です。
1970年代から今日までの長野電鉄の車両たちが、美麗な写真で掲載されています。
これだけの本(本文96ページ)が本体価格2,000円で買えるってのは幸せだと思います。
長野電鉄好きならばマストな一冊でしょう。

『風のレールウェイ 下津井電鉄創立100周年記念写真集』秋山雅紀 吉備人出版 2011
表紙を見て気づけよ!と言われるかもしれませんが、買って帰ってビニールをはがして驚いたのが、この本100%モノクロ写真です。
すんごく古い時代の鉄道ならいざしらず、下津井電鉄は平成の世まで走っていた鉄道ですから、当然カラー写真もいっぱいだろうと思い込んでいたので、その点ではがっかりしました。
しかし、チョイスされた写真自体はどれも貴重なもので、下津井ファンとしてはやはり手元においておきたい一冊には違いありません。
値段がちょっと張りますが、この手の本は見かけなくなってから探すのは不可能に近いので、ちょっとでも興味があれば、押さえておくことをおすすめします。

『今は無き私鉄・専用線の機関車たち 小菅一己写真集』小菅一己 2014
ISBNコードとかないんで自費出版っぽいですね。
テーマ的に人を選ぶ代物ですが、テーマの希少性からいっても、完成度の点からいっても、内容は最高級です。
値段1,800円+税となってますが、フルカラーで本文約120ページというのは超大盤振る舞いといっていいでしょう。
コミケで売ったらあっという間に完売じゃないでしょうか?
今回最大の掘り出し物です。
日本のフェリー
昨年、夏コミのために上京し、いろいろあって和光市に滞在しているとき、コミケ会場への行き返りその他の時間つぶしのために何か良さげな本はないかと駅前の書店を物色してました。
和光市駅前の書店、なぜかコミックマーケットカタログを前日になっても販売していて、秋葉原や神田の専門店よりもかゆいところに手が届く感じの店です。
これまでコミケ期間中は新座市に滞在することが多く、志木駅ビルの書店でJTBキャンブックスの鉄道本や「とれいん」などの地元鳥取県ではなかなか売ってない本を買うことが多かったのですが、和光市の書店はそっち系は弱いらしくてあまり良い本がありません。そこで偶然手に取ったのが、『日本全国たのしい船旅2013-2014』でした。

グラフィカルな紙面構成ですし、地元に近い隠岐汽船の「レインボー2」なんかも載っていたので、物は試しと購入してみました。
それで翌日、コミケ会場へ向かう東京メトロ有楽町線の中で読んでみると、これがなかなか面白い。
一方でレインボー2は引退、伊豆航路の「かめりあ丸」も2014年春で引退となかなか寂しい状況であることも知りました。
俄然フェリーに興味が出てきたので、東京にいる間に池袋(東武東上線というか東京メトロというか、和光市滞在中なので色々と便利なのです)のジュンク堂と西山洋書で購入したのが次の2冊です。

最初の本は「海人社」という社名からもわかるとおり、雑誌『世界の艦船』の別冊です。
サブタイトルに「その揺籃から今日まで」とある通り、1954年から発行された2009年までの全フェリーが基本的に1隻1枚の写真とスペックで紹介されています。わかりやすくいうとフェリーの年鑑というかカタログです。
次の本は見た感じ普通の本ですが、英文表記があることから察せられるように、これなんと“洋書”です。
本文は全文英語で一瞬躊躇しますが、なんといっても全ページカラー印刷で(古い船でどうしてもモノクロしか写真がない場合のみモノクロ掲載)、割とマイナーな船も総天然色で掲載されているのがモデラー的にものすごく助かる1冊です。
このあたりの資料を東京で購入し、実家に帰省してから「楽しく積んでおかせて」もらいました。
そんなこんなでローカル線の鉄道もいろいろとガケっぷちだけど、各地のフェリーもヤバい状況であるという認識が芽生えました。
春先に山口へ行った帰りには宮島航路のフェリーに乗り、ゴールデンウィークには宇高フェリーに乗ってみたのもそういう心境の変化が原因です。
そうこうしている間に、ネット古書店で次の2冊を購入しました。
タイトルからしてなんか「集大成」感がハンパないというか、コレさえあれば十分的なにおいがしていたので、変なプレミアがつかないうちに迷わず購入しました。

こちらはフェリーというより「鉄道連絡船」を網羅した資料です。
初版が1988年、続編が2002年とちょっと古い本ですが、以前に紹介したJTBキャンブックス『鉄道連絡船細見』の著者による渾身の作です
艦船模型ファンというより、鉄道マニア向け?の本なので、編集方針があまりグラフィカルではないのですが、それでもいろいろな設計理論とか実際の運航状況がどうだったか等の情報に関しては、これ以上はないクラスの「重い」本です。
厚さもかなりありますので、余裕で床に立ちます。
というわけで、「素人には同じものにしか見えないが、ひとつひとつ形や機能にちゃんとした理由があるため、知れば知るほど奥が深く面白い。しかもそれが日本全国、微妙にローカルな地域にかぎって点在している。」という、乗り物マニア、しかも鉄道マニアと妙に接点の多い趣味であることがわかります。
鉄道趣味というのがここ10年ほど、鉄子の旅とかが流行ったあたりからジワジワと市民権を得てきましたが、そこから派生する形で路線バス趣味というのも紀行番組が地上派でしばしば放送されたり、バスコレなんかの影響もあって微妙に、ごく一部で盛り上がりを見せているかのようなそうでないような感じがあります。
そこに割って入るのかそうでないのか、それこそ非常に少ないであろうバスマニアよりもさらに少ない希少マニアな感じですが、フェリー趣味というのもこれから来るんじゃないかと思ってます。
いやこれ、大洗-北海道航路とかガルパンマニアが一回だけ声優と往復して終わりとするには惜しい内容と立地を持っているわけで、某商船三井さんにはもうちょっとがんばってオタク向け商品など開発してほしいなぁと切望するところです。
最後に、伊豆七島航路の「かめりあ丸」、やっぱりというか当たり前ではあるんですが、引退するまでに乗る夢は叶いませんでした。
あんなに綺麗な船体なのに引退しちゃうんですね。
伊豆七島へ生活必需品を輸送する定期貨物船としての性格も合わせ持っているため、「カーフェリー」でありながら、門型ポストとデリックを併設しているところなんか、新田丸とか氷川丸とかの戦前の貨客船みたいで実に恰好よかったのに、残念。
特に「白+青+赤でどこのノルウェー軍だよ!」的なカラーリングは大好きだったんですが、なんか後継の「橘丸」は軍艦みたいな微妙な色合いになってしまって残念感でいっぱいです。
和光市駅前の書店、なぜかコミックマーケットカタログを前日になっても販売していて、秋葉原や神田の専門店よりもかゆいところに手が届く感じの店です。
これまでコミケ期間中は新座市に滞在することが多く、志木駅ビルの書店でJTBキャンブックスの鉄道本や「とれいん」などの地元鳥取県ではなかなか売ってない本を買うことが多かったのですが、和光市の書店はそっち系は弱いらしくてあまり良い本がありません。そこで偶然手に取ったのが、『日本全国たのしい船旅2013-2014』でした。

グラフィカルな紙面構成ですし、地元に近い隠岐汽船の「レインボー2」なんかも載っていたので、物は試しと購入してみました。
それで翌日、コミケ会場へ向かう東京メトロ有楽町線の中で読んでみると、これがなかなか面白い。
一方でレインボー2は引退、伊豆航路の「かめりあ丸」も2014年春で引退となかなか寂しい状況であることも知りました。
俄然フェリーに興味が出てきたので、東京にいる間に池袋(東武東上線というか東京メトロというか、和光市滞在中なので色々と便利なのです)のジュンク堂と西山洋書で購入したのが次の2冊です。


最初の本は「海人社」という社名からもわかるとおり、雑誌『世界の艦船』の別冊です。
サブタイトルに「その揺籃から今日まで」とある通り、1954年から発行された2009年までの全フェリーが基本的に1隻1枚の写真とスペックで紹介されています。わかりやすくいうとフェリーの年鑑というかカタログです。
次の本は見た感じ普通の本ですが、英文表記があることから察せられるように、これなんと“洋書”です。
本文は全文英語で一瞬躊躇しますが、なんといっても全ページカラー印刷で(古い船でどうしてもモノクロしか写真がない場合のみモノクロ掲載)、割とマイナーな船も総天然色で掲載されているのがモデラー的にものすごく助かる1冊です。
このあたりの資料を東京で購入し、実家に帰省してから「楽しく積んでおかせて」もらいました。
そんなこんなでローカル線の鉄道もいろいろとガケっぷちだけど、各地のフェリーもヤバい状況であるという認識が芽生えました。
春先に山口へ行った帰りには宮島航路のフェリーに乗り、ゴールデンウィークには宇高フェリーに乗ってみたのもそういう心境の変化が原因です。
そうこうしている間に、ネット古書店で次の2冊を購入しました。
タイトルからしてなんか「集大成」感がハンパないというか、コレさえあれば十分的なにおいがしていたので、変なプレミアがつかないうちに迷わず購入しました。


こちらはフェリーというより「鉄道連絡船」を網羅した資料です。
初版が1988年、続編が2002年とちょっと古い本ですが、以前に紹介したJTBキャンブックス『鉄道連絡船細見』の著者による渾身の作です
艦船模型ファンというより、鉄道マニア向け?の本なので、編集方針があまりグラフィカルではないのですが、それでもいろいろな設計理論とか実際の運航状況がどうだったか等の情報に関しては、これ以上はないクラスの「重い」本です。
厚さもかなりありますので、余裕で床に立ちます。
というわけで、「素人には同じものにしか見えないが、ひとつひとつ形や機能にちゃんとした理由があるため、知れば知るほど奥が深く面白い。しかもそれが日本全国、微妙にローカルな地域にかぎって点在している。」という、乗り物マニア、しかも鉄道マニアと妙に接点の多い趣味であることがわかります。
鉄道趣味というのがここ10年ほど、鉄子の旅とかが流行ったあたりからジワジワと市民権を得てきましたが、そこから派生する形で路線バス趣味というのも紀行番組が地上派でしばしば放送されたり、バスコレなんかの影響もあって微妙に、ごく一部で盛り上がりを見せているかのようなそうでないような感じがあります。
そこに割って入るのかそうでないのか、それこそ非常に少ないであろうバスマニアよりもさらに少ない希少マニアな感じですが、フェリー趣味というのもこれから来るんじゃないかと思ってます。
いやこれ、大洗-北海道航路とかガルパンマニアが一回だけ声優と往復して終わりとするには惜しい内容と立地を持っているわけで、某商船三井さんにはもうちょっとがんばってオタク向け商品など開発してほしいなぁと切望するところです。
最後に、伊豆七島航路の「かめりあ丸」、やっぱりというか当たり前ではあるんですが、引退するまでに乗る夢は叶いませんでした。
あんなに綺麗な船体なのに引退しちゃうんですね。
伊豆七島へ生活必需品を輸送する定期貨物船としての性格も合わせ持っているため、「カーフェリー」でありながら、門型ポストとデリックを併設しているところなんか、新田丸とか氷川丸とかの戦前の貨客船みたいで実に恰好よかったのに、残念。
特に「白+青+赤でどこのノルウェー軍だよ!」的なカラーリングは大好きだったんですが、なんか後継の「橘丸」は軍艦みたいな微妙な色合いになってしまって残念感でいっぱいです。