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ホビーボス 1/700 092型「夏級」SSBN
山ほど買った1/350現用潜水艦ですが、潜水艦模型の修作として、まず1隻目に手をつけてみました。色々あって複数購入したものの、実際には1隻しか竣工しなかった艦です。他に033G型「武漢」がありますが、こちらも近いうちに作ってみたいです。
実艦は中国海軍による「SSBNの試験艦」的な位置づけで、この092型の運用実績を踏まえ、実戦タイプの094型が開発されたようです。姿かたちは良く似ていてパッと見には区別がつけにくいですが、SSBN区画以外のフリーフラッドホールの形状で識別できます。細かい排水口が整然と並んでいるのが092型、スマートな切れ込みがスーッと通っているのが094型です。
ちなみに092型は1隻しか建造されませんでしたが、細かい改修を何度も受けているようで、SSBN区画のフリーフラッドホールが増えたり減ったり、時期によって変化が見られます。092型はキットの指定年次である黒/赤塗装のほかに、水色/黒で塗られていた時期があるのですが、水色時代のフリーフラッドホールはもっと数が多く4列あります。このため、単なる色変えで水色時代が再現できないのは残念です。
そんなわけで、製作に取り掛かる前は水色時代もいいかなと思っていたのですが、黒/赤塗装しか作れないことがわかったのでその線でいきます。
普通に製作する分にはこれといって書くこともないのですが、今回は台座を自作することにしたので、その下ごしらえをしておきます。台座への固定方法ですが、
1.単に乗せておくだけ
2.磁石による固定
3.ネジ切りによる固定
4.ポリキャップによる固定
以上の4案を検討しました。
1.は一番簡単で、特に下ごしらえを必要としません。単に完成させるだけなら、どのキットにもそれなりな台座パーツは入っているので、説明書の通りに作ればよいだけです。しかし、キットによって台座の形態はさまざまで、艦底に穴を開けるか開けないか、台座に直接固定か支持アームの先に置くかなど、複数を並べたときに展示方法がバラバラになるという欠点があります。最大の欠点は、均等な肉厚のプラパーツを接着していってハルを形成した場合、セイルがある分だけ上半分の方が重くなり、台座に固定しない方法だと非常に転覆しやすくなり、注意が必要です。展示会などに持っていって、他の作者の作品といっしょに並べるときなど、専用の台座から降ろして展示会場の机のうえに直に置くこともあるかもしれませんが、その場合、まず自立はしません。解決方法としては、とりあえず内部の底に重りを接着しておくという手があります。とりあえず、艦底に穴を開けない方法としては一番現実的な方法かと思います。
2.ガンプラ等でおなじみの強力磁石による固定方法です。町の模型屋さんではあまり売っていませんが、ガンプラ等に強いショップだと、いろんなサイズ、形のネオジム磁石というのを取り揃えています。武器の持ち替えや増加装甲の着脱など、接着してしまえば一種類しか飾れないところを、その日の気分によって刀と銃を持ちかえたり、強化パーツを脱着したりといった、アクショントイ寄りの模型によく使われます。特徴は小さいのに磁力が強力なことで、最近は空ものモデラーでも増槽の取りつけなどに使っている人がいます。利点は台座に固定するための穴を開けないで済むことで、1.のパターンと同様、キット附属の台座をそのまま活用するという方法も使えます。欠点は、「強力」といってもあくまで完全固定ではないので、固定の確実性や位置の微調整には向いていないことです。また、磁力という目に見えない力を使っているため、複数隻の完成品を一つの箱のなかに並べて保管などということをやろうとしたとき、相互に干渉してガチャガチャとしてしまわないか心配というのもあります。台座の形態にも注意が必要で、艦底の形にぴったり沿うような形態でないと、微妙に位置ズレしてうまくいかないと思います。
3.ネジ切りによる固定は一番確実な方法だと思います。ウォーターライン模型や戦車模型ではいつもこの方法で固定しています。1/700艦船や1/35戦車くらいの大きさだと、ダイソーの300円ケースやWAVEの展示ケースが使えるので、保存や展示に便利なこの種のケースとネジ切りという方法が相性がいいというのもあります。ただ、1/350の潜水艦となると、大き目のSSBNはまず収まりません。「同一スケールなのに一般人が思う以上にサイズがバラバラ」というのが潜水艦模型の面白さであり、統一スケールでコレクションする醍醐味だと思っているので、サイズごとに台座のデザインが違っているのはあまり恰好よくありません。ダイソーの300円ケースが単なる長方形ならいいんですが、手前側がカーブしているんですよね。WAVEのケースは直線なので、そこらへんからして統一感がありません。そもそも、これらのプラ製ケースが嬉しいのは埃よけ、破損防止のクリアケースと台座がセットになっていることであって、1/350のSSBNは大きすぎてこの保護カバーがかけられないのですから、魅力はガタ落ちです。かえってプラ製のチープな台座が目立つことになります。
ケースが使えないとなると、プラ製である必要はなくなりますので、自分はホームセンターで適当な木材を買ってきて、台座を自作することにしました。凝ったものにするとあとあと面倒そうなので、ちょっと面取りしてあるだけの四角いカマボコ板みたいなものを買ってきて、ネジを切ることにしました。台座に直に固定するならそれだけでいいのですが、今回は船体を少し持ち上げたかったので、スペーサーとなる長尺ナットをかませることにしました。普段の戦車模型ではアルミ管を適当な長さに切って使っているのですが、多少見栄えを意識して、ツヤのある材を使いました。欠点は艦底に穴を開ける必要があること、内側にナットを仕込む必要があることです。前者はできるだけ穴が目立たない方法を考え、自作ベースで飾っても、キット附属のベースで飾ってもネジ穴が見えない間隔(キット附属台座の固定アームの間隔に揃えた)で開口しています。
また、ナットの仕込みについては、このキットの構成が上下船体接着式のモナカ式だったので、比較的簡単にできました。ウォーターラインや戦車と違って、底が平坦じゃないのが面倒ですが、バルクヘッドなどを自作し、後で外れないようしっかり接着しました。左右貼り合わせ式のキットなんかだと苦労するかもしれませんが、現用潜水艦だとあまりそういう構造は見たことがありません。あっても、だいたいが側面のソナーアレイを再現するためのパーツ割りで、船体上部は別パーツということが多いので、なんとかなると思います。
4.ネジ切り式の欠点として、左右船体接着式のモナカなんかをどうするか?という問題が出てきましたが、そういうときに楽そうなのが、ポリキャップ式です。取り外し可能で保持力が高いというのがウリな構造で、戦車の転輪とかガンプラの関節保持なんかでは一般的になっています。左右挟み込みでナットを仕込んだときなど、傾きの調整が困難です。がっちり固定しないとあとで中で外れてカラカラと音がするなんて最悪ですが、かといってがっちり固定してしまうと、わずかな角度のずれでもネジが上手く絞められないといったトラブルが考えられます。ズレた角度のまま、無理にネジを締めようとすると、固定部に負荷がかかり、船体内部でナットがパキッと外れてしまうことにもつながりかねません。
そういう融通の利かなさに対して、ポリキャップは軟質素材なので、接着後も微調整が可能な「遊び」があります。2点のポリキャップで固定すると、この2点間の「向き」はかなり正確に出ますが、穴の角度などはあまり重要ではありません。このへんのおおらかさが、ガンプラの手軽さに大きく貢献しているところです。真鍮製の鉄道模型とか、穴がちょっとでもズレたらまともに組めませんが、ガンプラは「大体この辺」でなんとかなってしまいます。欠点としては抜き刺しする際に結構なテンションがかかることで、プラの肉厚のしっかりしたキットならいいですが、そうでない場合、船体が変形したり、接着部分が疲労してヒビがはいったりといったトラブルが出そうです。そういった欠点を承知して、少しユルめの調整を心がけるなら、悪くない選択だと思います。
以上の4つが、自分の考えた1/350潜水艦の台座固定方法です。
今回は上下分割方式だったので、3の方法を試してみました。
ネジ切りの場所ですが、重心を考慮して「ここ」というところに決めたら、ちょうど内部に弾道ミサイルの台座モールドが当たっていて、ナットを固定するのが難しい位置でした。モールドを削り取るというのも考えたのですが、いずれ、もう1個のキットはSSBN発射形態で作ろうと思っているので、今回はそれで逃げても、次回はその手は使えません。予行演習として、今回の時点で対処してみます。
自分は模型の固定用に3mmのボルトを使っているのですが、呼び径3mmのナットなら、弾道ミサイルの台座モールドの隙間になんとか収まることが確認できました。いつも固定時に使っているバルクヘッド法が使えないので、エバーグリーンの角プラ棒を細切れにし、ミサイル台座の間に詰めてナットが動かないように固定しました。キットにもとからあるモールドなので保持力も高く、さらに周囲を黒い瞬間接着剤でガチガチに固めたので、ほぼこれで大丈夫でしょう。
それと、ネジを外してテーブルの上に直置きするパターンも考慮し、内部に重りを入れておきます。飛行機モデラーなら粘土+釣りの重りというのを思い浮かべますが、多少の重心ズレは心配ない三車輪式の飛行機模型と違って、潜水艦の場合、中心軸でピタッと静止するシビアな重量配分が求められます。そこで粘土のような不確定要素の多い方法ではなく、大き目のナットを艦底内側にがっちり接着する方法としました。中心軸上に接着し、床の上に置いて調整したところほぼ満足すべき結果が出たので、この時点で上下パーツを接着しました。
流し込み接着剤でしっかりがっちり接着し、隙間というかパーツのズレは黒い瞬間接着剤で埋めました。タミヤパテなどのラッカーパテだと塗装時にヒケるので、この手の大物パーツの綺麗な曲面をならすのには向いていません。完璧にヤスリを当てても、サフや塗料を吹いたときにシンナーを含んでツヤが変わったり、完全乾燥したと思っていても、ジワジワとシンナー分が揮発していくため、経年でわずかに肉ヤセしたりと、とにかく綺麗にはならないので、光硬化パテやアルテコ瞬間接着パテなど、ヤセない充填材を使うことが大前提です。
黒い瞬間接着剤のうち、古くなってネバネバになったものを爪楊枝等で接着ラインに沿って塗りたくり、硬化促進スプレーで固めます。ものの数秒で硬化するので、すぐヤスリ掛けに入れるのも魅力ですね。光硬化パテなどにくらべて食いつきが良いのも利点です。ヤスリスティック400番でガシガシ削って面をならしたら、溶きパテを塗って表面処理の様子を確認します。このときの溶きパテは充填目的ではなく、あくまで「サフ吹き」の代替手段です。安易にサフ吹きすると、キット表面の繊細な彫刻が埋まってしまいますので、この時点ではサフ吹きよりも溶きパテの方がピンポイントで狙えるのです。
塗りたくった溶きパテは、再度ヤスリがけして削り飛ばしてしまいます。

接着部分の段差が修正できた状態
接着段差部分に黒い接着剤がきれいに充填されているのを確認したら、一部、ヤスリがけで消えてしまったスジ彫りを復活させておきます。難しいのは艦首の魚雷発射管を再現したスジ彫りで、三次曲面にモールドされているため、抜きの関係で彫刻の弱い部分があります。全体にまんべんなくなぞった場合、もとから彫刻が深い箇所がさらに深くなってしまいますし、正面にならぶ4門の彫りの深さが異なってしまいます。ここはこのキット最大の腕の見せ所と思い、デザインナイフとハセガワトライツールのけがき針、爪楊枝、400番の紙やすりを使って再現します。キットの彫刻が浅くても残っている部分については元のモールドに沿ってケガキ針を走らせ、まずは外形を拾います。モールドが消えていて上手くなぞれない部分は、一度デザインナイフのフリーハンドで下書きし、ケガキ針で馴染ませていきます。なお、デザインナイフの下書きは極軽く、ケガキ程度の強さでやっておけば、しくじったときは爪で擦れば消すことができます。こうして電車でいう「線路」がしっかり引けたら、彫刻の浅い箇所をケガキ針で重点的になぞり、少しずつ深くしていきます。全体が均等な深さになったら、彫り込み作業は終了です。
次にモールドの調整をやります。キット本来のモールドは若干のダルさを持っていますが、ケガキ針で彫り込んだ部分はシャープすぎてこれにうまくマッチしません。あえてダルさを演出するため、スジ彫りに沿って爪楊枝でなぞり、モールドの両縁を割り広げていきます。爪楊枝を立てて擦ればV字の断面に、寝かせて擦れば谷間がより広がるので、箇所によって立てたり寝かせたりしながら、キットの元々のモールドに近づけていきます。

写真が悪いですが、これが彫りあがった魚雷発射管です。
後から自分が彫った方が若干深めですが…


全体にサフを吹いた状態です。
うっすらとサイドの黒い瞬間接着剤が透けて見えていますが、これはサフを薄く吹いたためで、面としては平滑になっています。
できるだけサフを薄く吹こうとして、それに成功しているのですが、あとあと、赤色を吹きつける際に下地の黒っぽい部分が透けてきて往生しました。戦車模型では滅多に問題にならない部分ですが、赤とか黄色とか吹きつけるときには気をつけたいポイントですね。
純正の赤ではなく、鉄道模型用の「赤2号」を使っていたので、厚塗りすることでなんとかなりました。
実艦は中国海軍による「SSBNの試験艦」的な位置づけで、この092型の運用実績を踏まえ、実戦タイプの094型が開発されたようです。姿かたちは良く似ていてパッと見には区別がつけにくいですが、SSBN区画以外のフリーフラッドホールの形状で識別できます。細かい排水口が整然と並んでいるのが092型、スマートな切れ込みがスーッと通っているのが094型です。
ちなみに092型は1隻しか建造されませんでしたが、細かい改修を何度も受けているようで、SSBN区画のフリーフラッドホールが増えたり減ったり、時期によって変化が見られます。092型はキットの指定年次である黒/赤塗装のほかに、水色/黒で塗られていた時期があるのですが、水色時代のフリーフラッドホールはもっと数が多く4列あります。このため、単なる色変えで水色時代が再現できないのは残念です。
そんなわけで、製作に取り掛かる前は水色時代もいいかなと思っていたのですが、黒/赤塗装しか作れないことがわかったのでその線でいきます。
普通に製作する分にはこれといって書くこともないのですが、今回は台座を自作することにしたので、その下ごしらえをしておきます。台座への固定方法ですが、
1.単に乗せておくだけ
2.磁石による固定
3.ネジ切りによる固定
4.ポリキャップによる固定
以上の4案を検討しました。
1.は一番簡単で、特に下ごしらえを必要としません。単に完成させるだけなら、どのキットにもそれなりな台座パーツは入っているので、説明書の通りに作ればよいだけです。しかし、キットによって台座の形態はさまざまで、艦底に穴を開けるか開けないか、台座に直接固定か支持アームの先に置くかなど、複数を並べたときに展示方法がバラバラになるという欠点があります。最大の欠点は、均等な肉厚のプラパーツを接着していってハルを形成した場合、セイルがある分だけ上半分の方が重くなり、台座に固定しない方法だと非常に転覆しやすくなり、注意が必要です。展示会などに持っていって、他の作者の作品といっしょに並べるときなど、専用の台座から降ろして展示会場の机のうえに直に置くこともあるかもしれませんが、その場合、まず自立はしません。解決方法としては、とりあえず内部の底に重りを接着しておくという手があります。とりあえず、艦底に穴を開けない方法としては一番現実的な方法かと思います。
2.ガンプラ等でおなじみの強力磁石による固定方法です。町の模型屋さんではあまり売っていませんが、ガンプラ等に強いショップだと、いろんなサイズ、形のネオジム磁石というのを取り揃えています。武器の持ち替えや増加装甲の着脱など、接着してしまえば一種類しか飾れないところを、その日の気分によって刀と銃を持ちかえたり、強化パーツを脱着したりといった、アクショントイ寄りの模型によく使われます。特徴は小さいのに磁力が強力なことで、最近は空ものモデラーでも増槽の取りつけなどに使っている人がいます。利点は台座に固定するための穴を開けないで済むことで、1.のパターンと同様、キット附属の台座をそのまま活用するという方法も使えます。欠点は、「強力」といってもあくまで完全固定ではないので、固定の確実性や位置の微調整には向いていないことです。また、磁力という目に見えない力を使っているため、複数隻の完成品を一つの箱のなかに並べて保管などということをやろうとしたとき、相互に干渉してガチャガチャとしてしまわないか心配というのもあります。台座の形態にも注意が必要で、艦底の形にぴったり沿うような形態でないと、微妙に位置ズレしてうまくいかないと思います。
3.ネジ切りによる固定は一番確実な方法だと思います。ウォーターライン模型や戦車模型ではいつもこの方法で固定しています。1/700艦船や1/35戦車くらいの大きさだと、ダイソーの300円ケースやWAVEの展示ケースが使えるので、保存や展示に便利なこの種のケースとネジ切りという方法が相性がいいというのもあります。ただ、1/350の潜水艦となると、大き目のSSBNはまず収まりません。「同一スケールなのに一般人が思う以上にサイズがバラバラ」というのが潜水艦模型の面白さであり、統一スケールでコレクションする醍醐味だと思っているので、サイズごとに台座のデザインが違っているのはあまり恰好よくありません。ダイソーの300円ケースが単なる長方形ならいいんですが、手前側がカーブしているんですよね。WAVEのケースは直線なので、そこらへんからして統一感がありません。そもそも、これらのプラ製ケースが嬉しいのは埃よけ、破損防止のクリアケースと台座がセットになっていることであって、1/350のSSBNは大きすぎてこの保護カバーがかけられないのですから、魅力はガタ落ちです。かえってプラ製のチープな台座が目立つことになります。
ケースが使えないとなると、プラ製である必要はなくなりますので、自分はホームセンターで適当な木材を買ってきて、台座を自作することにしました。凝ったものにするとあとあと面倒そうなので、ちょっと面取りしてあるだけの四角いカマボコ板みたいなものを買ってきて、ネジを切ることにしました。台座に直に固定するならそれだけでいいのですが、今回は船体を少し持ち上げたかったので、スペーサーとなる長尺ナットをかませることにしました。普段の戦車模型ではアルミ管を適当な長さに切って使っているのですが、多少見栄えを意識して、ツヤのある材を使いました。欠点は艦底に穴を開ける必要があること、内側にナットを仕込む必要があることです。前者はできるだけ穴が目立たない方法を考え、自作ベースで飾っても、キット附属のベースで飾ってもネジ穴が見えない間隔(キット附属台座の固定アームの間隔に揃えた)で開口しています。
また、ナットの仕込みについては、このキットの構成が上下船体接着式のモナカ式だったので、比較的簡単にできました。ウォーターラインや戦車と違って、底が平坦じゃないのが面倒ですが、バルクヘッドなどを自作し、後で外れないようしっかり接着しました。左右貼り合わせ式のキットなんかだと苦労するかもしれませんが、現用潜水艦だとあまりそういう構造は見たことがありません。あっても、だいたいが側面のソナーアレイを再現するためのパーツ割りで、船体上部は別パーツということが多いので、なんとかなると思います。
4.ネジ切り式の欠点として、左右船体接着式のモナカなんかをどうするか?という問題が出てきましたが、そういうときに楽そうなのが、ポリキャップ式です。取り外し可能で保持力が高いというのがウリな構造で、戦車の転輪とかガンプラの関節保持なんかでは一般的になっています。左右挟み込みでナットを仕込んだときなど、傾きの調整が困難です。がっちり固定しないとあとで中で外れてカラカラと音がするなんて最悪ですが、かといってがっちり固定してしまうと、わずかな角度のずれでもネジが上手く絞められないといったトラブルが考えられます。ズレた角度のまま、無理にネジを締めようとすると、固定部に負荷がかかり、船体内部でナットがパキッと外れてしまうことにもつながりかねません。
そういう融通の利かなさに対して、ポリキャップは軟質素材なので、接着後も微調整が可能な「遊び」があります。2点のポリキャップで固定すると、この2点間の「向き」はかなり正確に出ますが、穴の角度などはあまり重要ではありません。このへんのおおらかさが、ガンプラの手軽さに大きく貢献しているところです。真鍮製の鉄道模型とか、穴がちょっとでもズレたらまともに組めませんが、ガンプラは「大体この辺」でなんとかなってしまいます。欠点としては抜き刺しする際に結構なテンションがかかることで、プラの肉厚のしっかりしたキットならいいですが、そうでない場合、船体が変形したり、接着部分が疲労してヒビがはいったりといったトラブルが出そうです。そういった欠点を承知して、少しユルめの調整を心がけるなら、悪くない選択だと思います。
以上の4つが、自分の考えた1/350潜水艦の台座固定方法です。
今回は上下分割方式だったので、3の方法を試してみました。
ネジ切りの場所ですが、重心を考慮して「ここ」というところに決めたら、ちょうど内部に弾道ミサイルの台座モールドが当たっていて、ナットを固定するのが難しい位置でした。モールドを削り取るというのも考えたのですが、いずれ、もう1個のキットはSSBN発射形態で作ろうと思っているので、今回はそれで逃げても、次回はその手は使えません。予行演習として、今回の時点で対処してみます。
自分は模型の固定用に3mmのボルトを使っているのですが、呼び径3mmのナットなら、弾道ミサイルの台座モールドの隙間になんとか収まることが確認できました。いつも固定時に使っているバルクヘッド法が使えないので、エバーグリーンの角プラ棒を細切れにし、ミサイル台座の間に詰めてナットが動かないように固定しました。キットにもとからあるモールドなので保持力も高く、さらに周囲を黒い瞬間接着剤でガチガチに固めたので、ほぼこれで大丈夫でしょう。
それと、ネジを外してテーブルの上に直置きするパターンも考慮し、内部に重りを入れておきます。飛行機モデラーなら粘土+釣りの重りというのを思い浮かべますが、多少の重心ズレは心配ない三車輪式の飛行機模型と違って、潜水艦の場合、中心軸でピタッと静止するシビアな重量配分が求められます。そこで粘土のような不確定要素の多い方法ではなく、大き目のナットを艦底内側にがっちり接着する方法としました。中心軸上に接着し、床の上に置いて調整したところほぼ満足すべき結果が出たので、この時点で上下パーツを接着しました。
流し込み接着剤でしっかりがっちり接着し、隙間というかパーツのズレは黒い瞬間接着剤で埋めました。タミヤパテなどのラッカーパテだと塗装時にヒケるので、この手の大物パーツの綺麗な曲面をならすのには向いていません。完璧にヤスリを当てても、サフや塗料を吹いたときにシンナーを含んでツヤが変わったり、完全乾燥したと思っていても、ジワジワとシンナー分が揮発していくため、経年でわずかに肉ヤセしたりと、とにかく綺麗にはならないので、光硬化パテやアルテコ瞬間接着パテなど、ヤセない充填材を使うことが大前提です。
黒い瞬間接着剤のうち、古くなってネバネバになったものを爪楊枝等で接着ラインに沿って塗りたくり、硬化促進スプレーで固めます。ものの数秒で硬化するので、すぐヤスリ掛けに入れるのも魅力ですね。光硬化パテなどにくらべて食いつきが良いのも利点です。ヤスリスティック400番でガシガシ削って面をならしたら、溶きパテを塗って表面処理の様子を確認します。このときの溶きパテは充填目的ではなく、あくまで「サフ吹き」の代替手段です。安易にサフ吹きすると、キット表面の繊細な彫刻が埋まってしまいますので、この時点ではサフ吹きよりも溶きパテの方がピンポイントで狙えるのです。
塗りたくった溶きパテは、再度ヤスリがけして削り飛ばしてしまいます。

接着部分の段差が修正できた状態
接着段差部分に黒い接着剤がきれいに充填されているのを確認したら、一部、ヤスリがけで消えてしまったスジ彫りを復活させておきます。難しいのは艦首の魚雷発射管を再現したスジ彫りで、三次曲面にモールドされているため、抜きの関係で彫刻の弱い部分があります。全体にまんべんなくなぞった場合、もとから彫刻が深い箇所がさらに深くなってしまいますし、正面にならぶ4門の彫りの深さが異なってしまいます。ここはこのキット最大の腕の見せ所と思い、デザインナイフとハセガワトライツールのけがき針、爪楊枝、400番の紙やすりを使って再現します。キットの彫刻が浅くても残っている部分については元のモールドに沿ってケガキ針を走らせ、まずは外形を拾います。モールドが消えていて上手くなぞれない部分は、一度デザインナイフのフリーハンドで下書きし、ケガキ針で馴染ませていきます。なお、デザインナイフの下書きは極軽く、ケガキ程度の強さでやっておけば、しくじったときは爪で擦れば消すことができます。こうして電車でいう「線路」がしっかり引けたら、彫刻の浅い箇所をケガキ針で重点的になぞり、少しずつ深くしていきます。全体が均等な深さになったら、彫り込み作業は終了です。
次にモールドの調整をやります。キット本来のモールドは若干のダルさを持っていますが、ケガキ針で彫り込んだ部分はシャープすぎてこれにうまくマッチしません。あえてダルさを演出するため、スジ彫りに沿って爪楊枝でなぞり、モールドの両縁を割り広げていきます。爪楊枝を立てて擦ればV字の断面に、寝かせて擦れば谷間がより広がるので、箇所によって立てたり寝かせたりしながら、キットの元々のモールドに近づけていきます。

写真が悪いですが、これが彫りあがった魚雷発射管です。
後から自分が彫った方が若干深めですが…


全体にサフを吹いた状態です。
うっすらとサイドの黒い瞬間接着剤が透けて見えていますが、これはサフを薄く吹いたためで、面としては平滑になっています。
できるだけサフを薄く吹こうとして、それに成功しているのですが、あとあと、赤色を吹きつける際に下地の黒っぽい部分が透けてきて往生しました。戦車模型では滅多に問題にならない部分ですが、赤とか黄色とか吹きつけるときには気をつけたいポイントですね。
純正の赤ではなく、鉄道模型用の「赤2号」を使っていたので、厚塗りすることでなんとかなりました。
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テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル : 趣味・実用
コメントの投稿
こんなのがあるんですね。98年の改装後のモデルですか?
092型は二番艦が82年に進水して、85年に事故により失われた。
なんて話もありましたね。
進水から7年後の88年にやっとJL-1の発射に成功して、
2000年と2001年にタクラマカン砂漠に発射訓練を行った
なんて話もありますが、
結局コイツ戦力化出来たんですかね。